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核融合発電

 今から約50年前の、まだ私が学生時代の頃に話題になっていた、夢のような核融合発電ですが、現在の進行状況をインターネットで調べてみました。

≪核融合反応及び、核融合発電とは≫

文部科学省のサイトでは、次のように書かれています。

「重水素と三重水素の原子核を融合させると、ヘリウムと中性子ができます。このとき、反応前の重水素と三重水素の重さの合計より、反応後にできたヘリウムと中性子の重さの合計の方が軽くなり、この軽くなった分のエネルギーが放出されるのです。」

「また、核融合反応では、少量の燃料から膨大なエネルギーが発生し、例えば、1グラムの重水素−三重水素燃料からタンクローリー1台分の石油(約8トン)に相当するエネルギーを得ることができます。」

01_核融合の原理
核融合について:文部科学省


また、浜松ホトニクスのサイトでは、次のような説明もあります。

「レーザ核融合技術が実用化し、日本において1kWhあたり3.5円という先進国の中で一番安い料金で電力を作り出すことができれば、産業界は競争力を取り戻し、持続的に産業が発達できることになります。」

「燃料の重水素は海水20Lに0.6gが含まれており、海に囲まれた日本では容易に手に入ります。0.6gの重水素の核融合反応から得られるエネルギーは、5000Lの石油を燃焼して得られるエネルギーに相当します。もう一つの燃料である三重水素はプラント内で生産します。」

02_浜松フォトにクスの計算
レーザ核融合(大出力レーザ応用技術)基礎研究・応用研究 浜松ホトニクス


核融合科学研究所のサイトでは、このように書かれています。

エネルギーの量がすごい
かくゆう合発電所の燃料は、海水中にもふくまれる重水素とリチウムという物質です。かくゆう合で発電ができると、重水素0.1グラム(水3リットル分)とリチウム0.3グラム(けい帯電話の電池1個にふくまれる量に相当)で、日本人一人あたりの年間電気使用量(7,500キロワット時)が発電できます。

燃料
核融合へのとびら - 自然科学研究機構 核融合科学研究所




≪主な核融合方式≫

 現在、核融合発電の為に、主流となっている実験装置は、トカマク型、ヘリカル型、レーザー型の3種類です。

03_核融合の主な閉じ込め方式
核融合について:文部科学省


世界各国の核融合実験炉
この表では、中国のレーザー核融合実験装置の「神光III号」が抜けているようです。

04_核融合実験装置
LHD (プラズマ装置) - Wikipedia



≪核融合発電への道≫

 実は、世界の技術先進国が競って、核融合発電装置の完成を目指しているのですが、競っているばかりではなくて、共同研究も行っています。

それが、フランスのカダラッシュに建設中の、国際熱核融合実験炉(トカマク型) ITER(イーター)です。

05_イーター建設現場
国際熱核融合実験炉 ITERウェブサイト

この計画は、日本、欧州連合、アメリカ合衆国、ロシア、中国、韓国、インドが参加しています。


アメリカは過去に一度、ITER計画より離脱してから復帰

実は、アメリカは、極秘に進めていたレーザー核融合計画に目途が立ったので、1999年にITER計画より離脱しましたが、そのレーザー核融合計画には、設計上の大きな問題が隠蔽されていたことが判明して、2003年、ITER計画に復帰しました。

近年(2014)に、アメリカのロッキード・マーティン社が、今後10年以内に小型の核融合炉(CFR:compact fusion reactor)が実用化されるという計画を発表して話題になりましたが、現在のところは、アメリカが再びITER計画より離脱するという動きは無いようです。
ロッキード・マーティン社の広報動画
ロッキード・マーティン社
「核融合炉を1-10に縮小可能」ロッキード・マーティン社|WIRED.jp


ITER(イーター)という名称は、ご存じの方も多いと思いますが、それが完成すると核融合発電がどの程度進むのかと言うと、ITERは実験炉で、その次に実証炉(現在は原型炉と呼ばれています)を建設して、その次に実用炉(核融合発電所)の建設になります。

この資料は2004年版で、かなり古い資料のようです。
06_核融合発電へのステップ
ITER計画以降の核融合実用化を目指した開発路線の提示 2004年

これは原子力機構(原研)サイトですが、最新版に更新されていると思います。
07_核融合研究開発の歩み
原子力機構(原研)における核融合研究開発の歩み




≪現在、克服しようと取り組んでいる課題≫

 核融合発電の何が困難かというと、太陽などの恒星では巨大な重力があるので、プラズマが圧縮されていて、比較的低い温度で核融合反応が簡単に発生しますが、地球上でその反応を小規模に、しかも持続的に発生させる為には、まず超高温のプラズマを発生させますが、磁場で圧縮した状態を持続させる必要があります。

計画の当初は、本当に夢のような構想でしたが、超電導技術など、科学技術の進歩により、核融合反応に必要な温度、密度、持続時間の3要素の達成時期は、かなり近づいて来たようです。

08_核融合実験炉の目標
国際熱核融合実験炉 ITERウェブサイト


過去に何度も計画の延期が発表されてきたITER計画ですが、最新情報(平成28年11月 文部科学省)では、ITER(イーター)のファーストプラズマが、2020年11月から2025年12月に変更されました。

初プラズマ計画の変更
平成28年11月21日(月) 第8回核融合科学技術委員会 資料5
ITER計画の新たなスケジュール及びコスト
について 平成28年11月 文部科学省 研究開発局 研究開発戦略官付



≪JT60SA(トカマク型)が日本で建設中≫

 日本の核融合発電の研究は、世界のトップレベルで、日本で建設したJT60の実験成果は、ITER(イーター)参加国にも大きく評価され、JT60の改良型のJT60SAが日本で建設中です。このプロジェクトは日本と欧州のメンバーで構成されます。

JT-60SAリサーチプランVer.3.3 (H28年3月完成)
共著者数378名:
日本160名(量研機構85名
国内大学等14研究機関75名
欧州213名(14カ国、30研究機関)
プロジェクトチーム5名
実験開始後の参加研究者数
国内250-300名
欧州200-250名

JT60SAは、ITERの次の段階の、原型炉(実証炉)に近い性能が見込まれています。

09_JT60SA.jpg
原型炉開発総合戦略タスクフォース会合2016年7月22日文部科学省13F1会議室
JT-60SAリサーチプランについて


JT-60ホームページ


≪後書≫

 ウランを使った、現在の原子力発電所の始まり

 改めて調べてみると、ウランの核分裂を利用した、現在の原子力発電が可能になったのは1951年で、まだ65年しか経過していないようです。

しかも当初は、発電量が1kW弱だったそうで、ヘアードライヤー1個を動かせる程度です。それが65年間で、実用的な大容量の発電所がここまで普及するとは、驚きです。

「史上初の原子力発電は、第二次世界大戦終結後の1951年、アメリカ合衆国の高速増殖炉EBR-Iで行われたものである。この時に発電された量は1kW弱、200W白熱電球4個を光らせるのがやっと。」
原子力発電 - Wikipedia


 はるか彼方の宇宙に居るはずの、宇宙人達も核融合発電を目指したはず

 実用的な核融合発電が将来的に実現できるのか、それとも、超える事の出来ない障壁が見つかるのか分かりませんが、この広い大宇宙に、人間以外の知的生命体が居るのなら、彼らも挑戦を続けているか、もしくは成功させたに違いありません。

何故なら、核融合発電の原料となる水素は、この宇宙空間に広く存在していて、太陽を含めた夜空に輝く星々は、水素の核融合反応エネルギーで輝いているからです。

はるか彼方の異星人達も、自分たちの母星を照らす太陽のエネルギー源が、水素の核融合反応によるものだと解明するでしょう。

彼らもきっと、子供たちに太陽の役割を教えているに違いありません。

「太陽はわたしたちの銀河系にある恒星こうせい のひとつで、地球にもっとも近い恒星です。直径は地球の109倍、体積は130万倍近くもあります。その中心部の温度はなんと1600万度! はげしい 核融合かくゆうごう反応がおこり、ぼう大なエネルギーを生み出しているのです。そのエネルギーが光と赤外線(熱)となって地球にふりそそいでいるため、わたしたち生物は生きていけるのです。 そんな太陽の中や表面はいったいどうなっていると思いますか? じっくり見てみましょう!」

太陽の姿
太陽・太陽のすがた│宇宙ワクワク大図鑑│宇宙科学研究所キッズサイト「ウチューンズ」

そして、人類が空を飛ぶ鳥を見て、自ら空を飛ぶ夢を目標に飛行機を発明したように、彼らも太陽を見て、そのエネルギーを自らの手で作りだす事を夢見るに違いありません。

それは、地球人と同じように、核爆弾の歴史から始まるのかも知れませんが、この宇宙全体に存在するエネルギー源を、破壊兵器だけに利用して平和利用を断念したのでは、あまりにも虚しい気がします。

SF的な想像をすると、そんな生命体は、”破壊を好む攻撃的な生命体” の烙印を押されるのかも知れません。

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